2016年5月23日月曜日

第57回日本神経学会学術大会

5月18日から21日、神戸国際会議場で行われた日本神経学会学術大会に参加させていただきました。

自分の役割としては「てんかんの社会的啓発を目指して」というセッションで、当院の取組等をご紹介させていただきましたが、朝一番、8時からのセッションだったにもかかわらず、立ち見も出るなど、他の会場に比べても盛況のようでした。

神経学会では最近になりてんかん診療への注目、熱意が高まりつつあるのを感じます。患者さんをたくさん診たり、系統立てて、てんかんの勉強をするのはなかなか一般の病院では難しいのですが、てんかんが好きな神経内科医が増えてくれるのは嬉しいですね。

今回はポスター発表もさせていただきましたが、そちらはあまり神経内科医になじみのない疾患の経験をご紹介しました。私が発表したGlut-1欠損症症候群は小児神経科の先生方にはよく知られていますが、成人を担当する神経内科医にはほとんど知られていません(神経内科からの発表は私が日本では最初のようです)。しかし、成人になり症状がはっきりしてくる方もおられ、おそらく見逃されている方もたくさんいるのではないかと考えています。この疾患の診断がきわめて重要なのは、薬物療法などがあまり効果がない一方、ケトン食などの食事療法が著効し、神経予後を改善しうるためです。一定の労作で悪化しする神経症状をみたら、一度は髄液/血糖比をみておくべきだと思っています。

会場で拙著「てんかんが苦手な医師のための問診・治療ガイドブック」も見つけました。まだ平積みで販売していただけていました。



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