2017年12月31日日曜日

今年もありがとうございました。

2017年も間もなく終わろうとしています。今年もたくさんの患者さんを診察させていただきました。最近は初診の予約が(平日の午後に毎日一人ずつ診察させていただいていますが・・・)2カ月以上お待ちいただくような状態が続いています。大変心苦しいのですが、お一人お一人を、特に初診の方は丁寧に診察させていただくことを今後も続けていきたいと思いますので、ご理解をいただければ幸いです。本年と同様に来年もどうぞよろしくお願いいたします。皆様良いお年をお迎えください。

小出内科神経科 一同
画像サンプル-除夜の鐘

2017年12月27日水曜日

拡散お願いします! パープルデー大阪2018 イベント開催のお知らせ

クリスマスも終わり、いよいよ年の瀬も押し詰まってきました。インフルエンザの流行もお子さんを中心に起こっています。1月以降は大人の間で流行してきます。手洗いを十分に行うなど予防につとめましょう。

2017年、大阪から世界に日本のパープルデーを発信する、というコンセプトでInstagramに紫の写真を投稿する、というイベントを行いました。結果330枚を超える多くの「紫」がそれぞれの方の想いを乗せて投稿されました。我々にとっても皆さんのいろいろな考えや想いを知る貴重な機会になったと思います。また何より私個人の感想としては楽しかったですね。改めて皆様のご協力に感謝を申し上げたいと思います。

先日からFacebookやTwitterではすでに告知をさせていただいておりますが、2018年は実際にイベントを行うことにさせていただきました。2018年3月24日、大阪の咲くやこの花館で市民公開講座や教育講演(いずれも要予約)、咲くやこの花館による紫の花にまつわるイベントなどを予定しています。ラベンダーのフラワークラフトのワークショップも行う予定です。当日は咲くやこの花館の周辺の鶴見緑地公園で「春のMakanaiマルシェ㏌鶴見緑地」というイベントも予定されており、昨年の実績では2万人もの方が来園されています。てんかんのことをほとんど知らない方に向けても啓発を進める良い機会と考え、この日にイベントを行うことにしました。てんかんの当事者や支援者の方々、あるいはてんかんのことはよく知らないけれど、イベントがあるなら行ってみてもいいかな、という方まで様々な方にご参加いただければ幸甚です。どうぞよろしくお願い申し上げます。InstagramやTwitterによるイベントへの参加も募集を開始しておりますので、パープルデー大阪のHPもどうぞご参照ください。


日時:平成30年3月24日(土)11時~15時30分(予定)
場所:咲くやこの花館(大阪市)
参加費:無料(咲くやこの花館へは各自入館ください)
プログラム(予定)
11時~ 開会宣言(主催者、日本てんかん協会大阪支部、教育委員会来賓など)
11時30分~ 企画①公開講座 「こどものてんかん」
13時30分~ 企画②公開講座 「おとなのてんかん」
14時30分~ 企画③公開講座 「患者さんをどう支援するか?」(教育関係者向け講演)
(※要予約、先着順:HPからメールで予約) 
企画④咲くやこの花館による、パープルデーにちなんだ「紫の花壇」展示 
企画⑤てんかんクイズラリー&てんかんについての啓発ポスター掲示(クイズに答えていただいた方には成績に応じてささやかですが景品をプレゼント)
企画⑥ワークショップ「フラワークラフトを作ろう!」(ラベンダーのポプリ作成を体験していただきます)
企画⑦インスタグラム連動企画「紫の花を探そう!」(2017年の「紫の写真をハッシュタグをつけて送って下さい」をさらに進化させて、てんかん啓発のイベントを「紫・花・人」といった彩りで表現し、インスタグラムと連動し、参加者が各自で啓発のため世界に発信できるように企画いたします。館長による花の解説もあり)
     (※企画④-⑦予約不要、先着順、咲くやこの花館へ入場いただきお越しください)
企画⑧乗馬体験(事前要予約)
パープルデーを大阪でFacebook https://www.facebook.com/purpledayosaka/
パープルデー大阪http://purpledayosaka.org
咲くやこの花館http://www.sakuyakonohana.jp/
実行委員長:小出泰道(小出内科神経科)実行委員:最上友紀子(大阪母子医療センター) 九鬼一郎、井上岳司、岡崎伸(大阪市立総合医療センター)

2017年11月13日月曜日

てんかんを公表している著名人⑮ Jay Bothroyd,(football player, 1982~)

「てんかんは、ありふれた、1人/100人の病気です」

我々は講演等でよくそのようにご紹介をします。実際に色々な研究から日本でも、世界どの国でもあまりこの有病率には変わりはないと言われており、てんかんをお持ちの患者さんはとてもたくさんおられます。皆さんの周りにも。

「でも患者さんに会ったことがないし、てんかん発作を起こしている人なんて見たことがありません」

きちんと治療を受けてさえいれば、60-70%の患者さんは発作が消失します。薬を飲んでいる以外はほかの方と全く変わるところがない、という方が多いのです。だから発作を一般の方が目撃する機会はほとんどありません。私も病院以外でてんかん発作をみたことはたぶんないと思います。また、てんかん発作と言っても一般の方が想像するような「泡を吹いて倒れる」けいれんはてんかん発作のごく一部にしかすぎませんので、「一瞬手がぴくっと動く」とか「一瞬じっとしているだけ」とかそんな発作は見逃されており、発作があってもそれとは気づかれないこともよくあります。

ただ発作がある人はたくさんいるのに「会ったことがない」のはなぜでしょう?それはてんかんがあることを「言い出せない」ことが大きな理由です。

てんかん、という単語はただの病名でありながら、色々な複雑なイメージを持っています。偏見や差別を恐れ、自分がそうだと口に出せない、そういう点で「てんかんになっちゃった」は同じ慢性的な疾患でも「高脂血症になっちゃった」とは言い出すハードルの高さが全く違うのです。

本日ご紹介するのはサッカーJリーグ、コンサドーレ札幌で活躍するジェイ選手です。ネットのニュースでご覧になった方も多いかもしれませんが、先日11月に練習中に倒れ、救急搬送されたことが報告されました。その後原因は彼がずっと治療を続けているてんかんであることが発表されました(薬の飲み忘れで発作が出てしまったことも)。社長は入団時に知らされていたようですが、チームメートは知らなかったそうです。

「若い人や他のアスリートでもてんかんを持っている人はいる。そういう人たちを助けたい」「てんかんを持っていても素晴らしい人生を送れることをみんなに知ってほしい。自分を信じて普通の人生を送ってほしい」「隠すことでも恥ずかしい事でも仕事を邪魔するものでもない」

彼が公表に至った経緯を考えると、彼にも様々な葛藤があったのではないかと想像します。しかし彼がてんかんを公表すると決め、患者さんたちを勇気づけたいというコメントを出してくれたことは日々患者さんに接する私にはとてもうれしいニュースでした。彼の今後の活躍に期待したいと思います。

ジェイの同じてんかんを持つ方へのメッセージ(パープルデー大阪公式YouTubeチャンネル)





2017年11月10日金曜日

「プライマリ・ケアのための新規抗てんかん薬マスターブック」改訂第2版

2012年に発売され好評を博した「プライマリ・ケアのための新規抗てんかん薬マスターブック」の改訂第2版が先日出版されました。初版につづき小出も分担執筆させていただいております。新しい薬が次々と発売される中、その使い方の経験も蓄積されてきていますので、皆様のお役に立てばと思います。


2017年11月7日火曜日

第51回日本てんかん学会学術集会が終わりました

先週末、第51回日本てんかん学会学術集会(京都国際会館)が終わりました。小出は市民公開講座で「おとなのてんかん」というお話をさせていただきました。

日本のてんかん学の現在地が色々な意味でよくわかる学会だったように思いますが、個人的に一番印象的だったのは、国際抗てんかん連盟会長のWiebe先生が話された、AIなどのMachine Learningが今後のてんかん医療に何をもたらすか?という話でした。AIができることは脳波の自動判読など従来てんかんの世界で我々が考えてきた「機械がする領域」を大きく超え、問診の段階からAIによる判定アルゴリズムが有用になってくる可能性(もはやなっている?)が示唆されていました。Wiebe先生はアルゴリズムは我々の敵ではない、パートナーだ、といったお話もされていましたが、どこか空恐ろしい感じを受けました。我々の仕事も今後大きく変貌していくのでしょう。

今我々にできることは目の前の患者さんの「来し方」を理解し、「行く末」に何か良きものを付け加えることができるように頑張ることだけですね。その姿勢や感性だけが最後に我々に残された医療なのかもしれません。

感性と言えば、今年も開かれたアート展にはやはり色々な患者さんの来し方が表現されていましたね。今後もこの静岡の井上先生の想いがこもった企画が受け継がれていくことを願っています。アート展の図譜は当院待合にもありますので、受診の際はどうぞご覧ください。



2017年10月25日水曜日

てんかんをめぐるアート展2017

今年も11月3日~5日、京都国際会館にて第51回日本てんかん学会学術集会が開催されますが、昨年の静岡大会に続き、「てんかんをめぐるアート展」が今年も開催されます。アート展は会期、会場が違い、京都大学総合博物館で11月1日~5日に開催される予定です。当院の患者さんからも「出展します」というご報告をいただいております。皆さんも秋の京都で絵画・写真の鑑賞を楽しまれてはいかがですか?

http://www.c-linkage.co.jp/jes51/art.html



2017年10月16日月曜日

10月28日 母校広島大学で講演します!

講演の事前告知はあまりしないのですが、今回は母校ですので、興味のある方にもない方にも(笑)来ていただければと思い告知をさせていただきます。

広島大学てんかんセンターで毎年行われております脳波判読セミナーにおきまして、てんかんの問診について話しをさせていただきます。脳波セミナーで脳波よりも問診が重要である、という話をするのは複雑なのですが(笑)、皆さんに楽しんでいただけるようにしたいと思いますので、どうぞお越しくださいませ。

2017年10月2日月曜日

てんかんを公表している著名人⑭ Julian Huxley (rugby union footballer 1979~)

このシリーズ、久しぶりになります。今回ご紹介しますのは、オーストラリア代表ワラビーズでも活躍したラグビー選手であるJulian Huxleyです。ちなみにタイトルのrugby unionとは日本で一般的に知られている15人制のラグビーのことで、オーストラリアで特に人気が高い13人制のラグビーrugby leagueと区別するために用いられる言葉です。

Julian Huxleyはプロのラグビー選手として、またオーストラリア代表として活躍していましたが、2008年試合中にけいれん発作を起こしています。

'I was conscious through the first 10 seconds of that fit,'' he recalled. ''Not knowing what was happening was pretty scary. Whole body is locked and frozen in convulsions. I couldn't breathe and didn't know what was happening. Then I passed out.''


「発作の最初の10秒間は意識があった」と彼は述べた。「何が起こったかわからず、とても怖かった。けいれんで体は固くなり動かなくなっていた。私は息もできず、何が起こっているかわからないままだった。そして意識を失った」


2日後、精密検査の結果脳腫瘍が見つかりました。直ちに手術や化学療法・放射線療法などが行われましたが、プロのラグビー選手としての将来は絶たれたものと思われていました。しかし2010年、彼は当時Super14(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカのプロ選手のリーグ戦)のMelbourne Rebelsと契約を交わし、rugby unionの表舞台に復帰します。その後2012年にフランスのプロチームに移籍したのち、現在は選手生活を終え、プロのラグビーコーチとして活躍中です。

彼はこれらの経験から脳腫瘍の研究のためのチャリティーなどにも参加しているようです。「人生の困難に対処する方法はラグビーで学んだ」という言葉は元弱小ラグビー選手の私にも勇気を与えてくれます。






2017年9月30日土曜日

心原性失神をまずは鑑別!

最近1-2カ月の間に診察させていただいた患者さんで、お二人ほど心臓が原因となっている失神(心原性失神)の患者さんがおられました。どちらの方もてんかんとすでに診断を受けておられ、抗てんかん薬も服用されていました。どちらの方もてんかんと診断されてから様々な心理的葛藤を生じる出来事がたくさんありましたが、特に片方の方(中学生)は抗てんかん薬による副作用で精神的にもとても不安定になり大変だったようです。この方の元々のご相談は「てんかんがあるのだが、抗てんかん薬の副作用が目立って大変」というものだったのですが、診断そのものが違っていてはスタートからうまくいかないのも当然と言えます。

心原性失神は発作そのものが生命の危機が生じうる緊急事態であり、この点がてんかんとは全く異なります。てんかんは発作そのもので命を落とすことは事故やよほどのことがない限りありません。こうした点から、「意識をなくして倒れた」「倒れてけいれんがあった」方でまず考えるべきは心原性失神です。これがないことを確認してから改めててんかんについて考えてもまったく遅くはありません。



2017年9月26日火曜日

神経疾患を語る会

9月25日(月)は大阪赤十字病院と富永病院の神経内科の先生方を中心に定期的に行っておられる「神経疾患を語る会」でお話をさせていただきました。

今回も問診が最重要である、という話をしたのですが、お若い先生から「問診が重要だとはてんかんを専門にしている先生は皆さんおっしゃるのですが、どうしていいかわからないのです。何かコツはありますか?」というご質問をいただきました。

こればかりはなかなか一言でお答えすることが難しいのですが、自分がしていることを振り返ると、まずいつごろからどんな症状があり、今ある症状は何なのか?ということをはっきりさせます。これがはっきりしないと、そもそもその方がてんかんなのかどうか?てんかんであればどういうタイプの発作を持っているのか?ということがわかりません。この部分の問診は十分に時間をかけて行います。患者さんの目の前で発作の真似をして見せることもあります。「そう!まさにそれです!」と言われたときは名優になったような気がしてうれしくなってしまいます(笑)

それからこれまでに他に病気はなかったか?(既往歴)、ご家族に何らかのご病気をお持ちの方はおられるか?(家族歴)、喫煙や飲酒の有無(嗜好)、生まれた時の情報(出生歴)、首がいつ座ったか?といった乳幼児期の発達の問題の有無、学歴や職業歴、運転免許の有無や運転の状況、現在使っている医療や福祉の制度などの情報を順に聞きます。これには初診時には問診表を使います。

1回しか症状がない方などを除けば、ここまでで40分~1時間ぐらいは時間がかかります。それぐらいは時間をかける必要がどうしてもあるからですね。それから脳波の検査をします。必要に応じてMRIなどの検査も提携先で受けていただくようにしています。

これらの情報を総合して、その方がどういうてんかんを持っていて、どんな治療を受けてもらうのがよいか、といったことを一緒に考えていくことになるわけです。

これは書くと簡単なことですが、確かに経験がいるだろうとは思います。私も最初はてんかんセンターの諸先生方の問診を横で見ていました。先生によっていろいろとスタイルはありますが、きちんと聞くべきことは聞き、病状を明らかにする、というのは当然皆さん同じでした。その中から今の問診のスタイルができていったのです。

そこでご質問に対しては上に描いたような基本的な内容についてお話ししたうえで、できればてんかんに詳しい先生の問診を何度か見せてもらうのがよいのでは?とお伝えしました。静岡など大規模なてんかんセンターを若い先生が見学する意義はとても大きいと思います。

2017年9月11日月曜日

第5回関西精神科てんかん勉強会

9月9日は上記の会で座長をさせていただきました。精神科医のてんかん離れについて最近は指摘されることも多いのですが、ここにはてんかんについて情報収集したい、という熱心な精神科の先生がいつも参加されています。

今回はてんかん性精神病と言われる病態について総論を紀南こころの医療センターの辻富基美先生がお話になった後、経験された症例について川崎医院の川崎淳先生が提示されました。どちらも大変勉強になる内容で、特に川崎先生の症例のご経験については私からも色々と質問をさせていただきました。今後も年に2回程度続けていく予定になっていますので、興味のある精神科の先生がいらっしゃいましたらどうぞご連絡ください。

写真は会が終わってからの食事の際の川崎先生と辻先生との3ショットです。私だけ黒光りしていますね(笑)

2017年8月29日火曜日

「波」で拙著が紹介されています

まだまだ暑い日が続いていますが、朝方や雨の日などに少し涼しさも感じられるようになってきました。穏やかに季節に目を向けることができる平和な日々が続いてほしいものですね。

今月号のてんかん協会機関紙「波」で拙著が紹介されました。ありがとうございます。

ちなみに本の宣伝の上の、「ペットのてんかん」を連載しておられる日本獣医生命科学大学の長谷川大輔先生は動物のお医者さん、の中でもてんかんを専門にしておられます。ペットのてんかんの相談はネット上でも良く見かけるニーズの大きい分野ですので、これからますますご活躍の場は広がるばかりでしょうね。


2017年7月26日水曜日

副院長休診のお知らせと本年度の夏季休暇について

小出泰道医師は7月28日、29日は休診とさせていただきますが、院長の外来は通常通りですので、ご相談がおありの場合はご連絡、あるいは受診をお願いいたします。

夏季休暇は8月11日(金:祝日)~8月16日(水)ですが、前後の10日、17日は木曜日でやはり休診ですので、ご相談の際はご留意ください。

2017年7月24日月曜日

日本てんかん学会近畿地方会で座長をさせていただきました。

昨日大阪大学中之島センターにて日本てんかん学会近畿地方会が行われました。成人てんかんのセッションの座長をさせていただきましたが、活発な質疑があり、「座長はいるかいないかわからないぐらいがちょうどいい」という某先生のお言葉らしい座長ができたかなと思います。どうしても聞きたい質問だけはしてしまいましたが・・・・。

特別講演の2題もとても臨床的で大変勉強になる内容でした。妊娠とてんかんのセッションでは、不妊への抗てんかん薬の影響や、葉酸摂取量について質問させていただきました。胎児への影響に焦点を当てた抗てんかん薬の調整に比べると、そもそも妊娠する段階での抗てんかん薬の影響、というのはまだ知見が少ない部分です。また妊娠可能年齢の女性において、てんかんを合併する、あるいはてんかんのない方でも現在は葉酸の補充が推奨されていますが、その補充量については各国で対応が分かれているのが現状であり、日本の0.4㎎から欧州での5㎎まで大きな差があります。他の先生のやり方をおうかがいしてみたく、質問させていただきました。

学会は他の先生の色々な考えに触れる貴重な機会ですので、今後も積極的に参加したいと思います。

2017年7月7日金曜日

「ドクターズファイル」に紹介されました

インターネット上には医療情報を紹介するサイトが沢山ありますが、先日「ドクターズファイル」の取材を受けました。

インターネットで医療情報を紹介するサイト、というと「~の名医!」みたいな記事を「見開き100万円で載せます」といった広告をみたことがあり、最初は少し警戒したのですが、無料で(有料のオプションはあるようですが)病院を探している方々に向けた情報を発信しています、ということでしたので取材をお受けしました。担当の方がとても熱心で感じのよい方だった、というのも大きかったのですが。

正直なことを言えば、現在でも新規の患者さんには1か月程度お待ちいただくような状況でもあり、広告はあまり必要ない状況です。最近の新規の患者さんはの多くは病院からご紹介の患者さんでもあります。

しかし貴重な機会だと思いましたので、てんかんという病気やその診療についてしっかりとお話をさせていただきました。内容をみていただければわかりますが、記事を私の要望に沿ってそのような形でまとめてくださったことに深く感謝したいと思います。

ドクターズファイル「小出内科神経科」
URL:https://doctorsfile.jp/h/71987/df/1/?page=1




2017年7月3日月曜日

Twitterのフォロワーが1000人を超えました&愛染祭

小出内科神経科のTwitterアカウントのフォロワーが1000人を超えました。フォローしてくださっている方々に感謝いたします。今後もbotに登録したコメントが皆さんのお役に立てばと思います。Twitterのことはよく分からないのですが、ある芸能人の方が、「フォロワー1000人なんて友達だけでもいける人数じゃん?」というコメントをしていたことをふと思い出してしまいましたが・・・。

先週末は当院の近くで愛染祭が行われました。いつぞや「愛染さんはいつも雨やからな」と院長が申しておりましたが、今年は天候に恵まれ、大勢の参拝客でにぎわっていました。

2017年7月1日土曜日

てんかんの診断と治療を考える会

6月29日千里阪急ホテルで「てんかんの診断と治療を考える会」にてお話をさせていただきました。いつものように、てんかんにおける問診の重要性と、それを実感できた症例についてお話をさせていただきました。

会の終了後にご参加いただいた先生のなかで、かなりご年配の先生に「とてもいい話でした。先生はどこでこんな勉強をされたのですか?」というご質問をいただきました。私のてんかんについての経験は静岡てんかん・神経医療センターと当院での診療がほぼ全てです。経験の中から生まれた疑問や質問をないがしろにせず、それを次の診療に生かすようにしてきたことぐらいでしょうか?もちろん、いくら考えてもわからないことも多いのですが・・・・。

2017年6月21日水曜日

2014年4月からのてんかん新患外来が500人を超えました

2014年4月から小出が行っているてんかん専門外来の初診患者さんが先週で500名を超えました。またどこかでデータはまとめてお示ししたいと思いますが、てんかんの治療を当院で続けている方、てんかんでないと診断し治療を中止した方、すでに転勤等で他府県に移られた方など、お名前の一覧を見ていると色々な記憶がよみがえってきます。これからもお一人お一人を丁寧にみる初診を続けていきたいと思います。

2017年6月12日月曜日

第7回てんかんマスタークラス

2017年6月10日東京汐留にて、第7回てんかんマスタークラスが開催されました。小出も講演の演者と座長として参加させていただきました。今回で6回目の参加となります。全国各地でてんかんを診療されている神経内科の先生を対象にした勉強会で、毎年多くの先生方がおいでになりますが、リピーターがとても多いことが特徴だと思います。他の講師の先生方のご講演も含め、私自身とても勉強になる会です。

小出はてんかんに関連した神経画像検査について、てんかんに関連する疾患の各論的な話と、私自身の経験についてお話をさせていただきました。ディベートは今回が初めての企画でしたが、講師全員が前の週に東京で打ち合わせをするなど、かなり頑張ってみました。参加された先生方の感想が楽しみなような怖いような・・・ですが、症例検討も含めいろいろなご意見をいただけたことは良かったと思います。来年もまた秋頃に行われる予定です。

2017年6月9日金曜日

「クリニシアン」に記事を書きました。

(株)エーザイが発行している医師向けの小冊子「クリニシアン」の、第657号(6月1日刊行)は「プライマリケア医に知ってほしいてんかん」というタイトルでてんかんが特集されています。小出もそこにてんかんの診断は問診が全て:その理由とポイント」という文章を書かせていただきました。医師向けの雑誌なので一般の方の目に触れる機会はあまりないですが、少しでもてんかん患者さんに接する機会のある医療関係者に読んでいただければと思います。表紙は田中達也先生で小出ではありません(笑)




2017年6月6日火曜日

東京での講演

2017年6月4日東京、品川にて講演会の演者を務めさせていただきました。
製薬メーカーさんの製品発売記念講演会だったのですが、いつものてんかん診療における問診の重要性を話してきました。今年は全国の色々なところでこの話をさせていただくことになりそうです。この話のニーズが高い、というのは、やはりてんかんの問診について体系的に学ぶ機会があまりないからなのでしょうね。演者に選んでいただいた先生には御礼を申し上げます。

今回のプログラムで一番印象的だったのは当事者の方が壇上に上がり、日ごろの自らの体験や感じていることを語ってくださる部分でした。社会的に活躍されているお二人のてんかん患者さんが、社会人として責任ある立場であるがゆえの悩みや日ごろの発作への対応などについて率直に語ってくださったことは、てんかん患者さんと日常的に接する私にとっても参考になるものでした。900人近い聴衆の先生にとってもきっとそうだったと思います。

2017年6月2日金曜日

「はじめてのてんかん・けいれん診療」増刷御礼!

「はじめてのてんかん・けいれん診療」、増刷されたとのことで献本をいただきました。当院の待合でも患者さんが熱心に読んでくださっています。今後ともどうぞよろしくお願いします。

2017年5月29日月曜日

てんかんの原因を探す!秋山先生のご講演

5月27日に梅田で新規抗てんかん薬「フィコンパ」の使用経験について話し合う、という趣旨の「フィコンパ Expert Meeting」という講演会があり、小出も当院での経験をお話しました。特定の薬についてのプロモーションをするような講演はしないことにしているのですが、少なくともこれまでの治療で全く歯が立たなかった患者さんの何人かに著効しておりますので、そのような方がいるのであきらめずに治療内容を考えることが重要だという自戒も含めてお話をしました。

それよりももっと興味深かったのが、特別講演の岡山大学の秋山先生がされた「てんかんと小児代謝性疾患」というお話でした。秋山先生とは静岡のてんかんセンターで一緒にお仕事をさせていただいたこともありますが、現在はこの小児代謝疾患の診断系を確立する、というお仕事をされています。

秋山先生がいくつか提示された小児代謝性疾患の症状は、あるものはてんかん発作だったり、発達障害や知的障害であったりと、それ自体はあまり特徴的でなく、検査を行わない限り診断ができない疾患がたくさんありました。

この診断がつくかどうかがとても重要なのがこの小児代謝性疾患の特徴です。もちろんどんな病気でも診断がつくことが重要なのですが、この疾患群がとても重要なのは、原因そのものが治療可能かもしれない、という点です。

たとえばてんかんを例にあげれば、我々は普段てんかんの治療、というと抗てんかん薬による薬物療法を考えます。これはてんかん発作の原因である神経の興奮を薬剤によって抑制し、発作を起こさせないようにする、というものです。ただこれは興奮を起こす神経そのものの性質を変える治療をしているわけではなく、興奮が起こらないように抑えているだけです。ですので断薬すると発作が再発しうるのですね。

一方小児代謝性疾患は代謝の経路の一部に体質的な不具合があり、代謝産物が作られなかったり、もしくは蓄積してしまったり、うまく目的の臓器に達するすることができなくなることで、例えば脳に不具合が生じればてんかん発作などの症状がおこります。とするとこの代謝産物を様々な方法で補充したり、除去したりすることができれば、臓器で起こる不具合はなくなる可能性があります。つまり原因からてんかんの治療ができるのです。実際に原因が分かったことで劇的な改善が得られた例もご紹介いただきました。

もちろんこれらの疾患は患者数がとても少ないと考えられており、世界中でせいぜい100例程度の報告数であったり、日本ではまだ未報告といった疾患もあります。ただ、実際には診断がついていない例も沢山あると思われ、診断することがその人の人生を大きく変える可能性があるという点で、我々はあまり特徴のない症状から、疾患の診断に至るプロセスを学んでおく必要があると思います。これからも勉強を続けていきます。

2017年5月20日土曜日

「てんかんフロンティア 未来へのNew-Trend」発売されます

2015年11月にてんかんの最先端研究や診療について各分野のトップランナーが講演を行う「宮崎てんかんシンポジウム」が行われ、小出も参加させていただいたことは当時こちらのブログでもご報告させていただきましたが、その講演録が1冊の本になり、このたび発売されました。初学者向けの本ではなく、てんかんについて深く学びたい、という先生にはとても面白い本だと思います。

てんかん学者がそれぞれの得意分野について話すのを聞く、というのは実はとても貴重な機会です。学会等に参加しても、自分がその場で話を聞くことができるセッションはごく一部ですので、特に今回基礎研究の話などをきちんとまとめて聞くことができたのはとてもよかったです。小出も新規抗てんかん薬を含めた薬物療法について講演内容を書かせていただきました。てんかんを深く勉強したい先生にお勧めします。

2017年5月15日月曜日

てんかんWebセミナー「てんかん診療はなぜ時間がかかるのか? 患者さんとのコミュニケーションの ポイントと教育の重要性について」

5月12日(金)19時~第一三共TVにおきまして、「てんかん診療はなぜ時間がかかるのか? 患者さんとのコミュニケーションの ポイントと教育の重要性について」という講演を、埼玉医科大学名誉学長の山内俊雄先生に座長をお願いし開催させていただきました。

てんかんの診療が他の神経疾患の診療に比べてどのように違い、なぜ時間がかかるのか、「てんかんは苦手」というお医者さんはなぜ多いのかなどについて考察したうえで、診療を円滑に進めるためには積極的に患者さんとコミュニケーションをとり、教育を図ることが重要であるとお話しました。また患者さんの教育ツールとしてのWebコンテンツ「てんかんabc」(https://www.tenkan-abc.jp/)もご紹介させていただきました。

Web講演会ははじめてで、スタジオの中でインターネットの向こう側にいる先生方に話をするというのは不思議な感覚で、不慣れからお聞き苦しい点もあったかと思いますが(言い訳をしますとさらに黄砂のせいか本当に鼻声でした)お伝えしたいことはお伝えできたのではないかと思いました。今後も様々な機会を通じ、てんかん診療についての意見を発信していきたいと思います。

Webセミナーはオンデマンド形式で、再放送がありますので、興味をお持ちの方はどうぞご覧ください。http://dstv.dsc-caster.info/websemi/vmt/170512/








2017年5月1日月曜日

Progress in Medicine4月号「大規模災害とてんかん診療:東日本大震災を振り返って」

Progress in Medicine(ライフサイエンス社)の4月号の特集「プライマリ・ケア医のためのてんかん診療」に「大規模災害とてんかん診療:東日本大震災を振り返って」という記事を書かせていただきました。災害当時の経過や現地での経験、その後のてんかん診療を災害の経験はどう変えたのか?といった内容となっております。ご興味がありましたらぜひご覧ください。



2017年4月24日月曜日

第2回Transitional Case Meeting in Epilepsy

4月22日は大阪府立母子保健総合医療センター・大阪府立急性期総合医療センターの各科の先生方が多数参加された講演会にて、「こどものてんかん・おとなのてんかん」という講演をさせていただきました。「こどもはちいさなおとなではない」というのは小児科を研修していたころに聞いたことがある言葉ですが、てんかん診療に関してもそれは真であり、そのまた逆も真なり、ということについてお話をしたつもりです。違いの例としては46年ぶりにてんかん発作が再発した、という成人発症のてんかんの方や、小児期には問題なく使用できていた抗てんかん薬が、成人になり精神症状を悪化させたと考えられる例などを提示させていただきました。

2017年4月21日金曜日

第4回OCUてんかん治療講演会

昨日は大阪市大病院にて、主に大阪市大院内のてんかんを診療する先生方、パラメディカルの先生方などが参加する講演会に座長としてお邪魔しました。

最近は院内外での連携といったテーマの講演会も増えてきており、てんかん診療において小児科から他科へのトランジションなどこのテーマへの関心が高まっていますが、まずは院内でてんかんを円滑に診療するためには何が必要なのか、といったことを関係者が一堂に会して話す、というのは大きな意味があると思います。

2017年3月28日火曜日

講演会の御礼

パープルデイの活動の間に3つの講演会でお話をさせて頂きました(遅くなってしまいましたが、忘備録も兼ねていますので・・・・)

①加古川てんかんフォーラム(2017/2/22)
加古川近隣の地域の先生方を対象に、てんかん専門医やてんかんセンターとどのように連携をしていくのがよいだろうか?という話をさせて頂きました。てんかん専門医はまだまだ数が少ないため(寂しいことに神経内科専門医でかつ
てんかん専門医は大阪市内は小出だけです・・・)、なかなか近くにそうした存在がおらず、実態が分からないというお話もよくおうかがいしますので、日ごろの診療の実態などをご紹介した後、てんかんセンターなども気楽に利用していただくのがいいと思う、といった話をさせて頂きました。

②関西精神科てんかん勉強会(2017/3/11)
精神科の先生方を対象に、「新規抗てんかん薬による薬物療法について」と題し、新規抗てんかん薬が次々と発売される中、我々はそれをどのように使い、どのように避けるべきなのかをお話しました。一緒に世話人をさせていただいている京都の川崎先生の実使用経験についてのお話もあり、質問もたくさんいただきました。講演会後には和歌山の辻先生やご参加の先生方、大塚製薬の方々と共にパープルデーの記念写真をとらせていただきました。ご協力いただきました先生方や大塚製薬の方々には御礼を申し上げます。

③講演会「地域で取り組む高齢者てんかん」
北摂の先生方を対象に、国立循環器病研究センターの田中智貴先生の脳卒中てんかんのお話と、小出の「てんかん診療における問診の重要性とコツ:高齢者てんかんも含めて」という2題の演題がありました。ここでも座長の先生方にお願いして持参したパープルデーのTシャツを着て頂き、写真をお願いしました。ありがとうございました。



2017年3月23日木曜日

インスタグラム投稿が200件を超えました!

#パープルデイ大阪のインスタグラム写真投稿が200件を超えました!患者さんやご家族、てんかんに関係する医療関係者など、様々な方のご協力があってのこと。本当にありがとうございます。皆様の投稿がまた他の方に力を与えていることも、投稿に対するコメント等から伝わってきています。パープルデーの創始者であるカナダのCassidyさんも写真をチェックしてくれており、「いいね!」やコメントをして下さっています。まだまだ3月26日までは時間がありますので、皆さまの投稿をまだまだお待ちしております。

本日大塚製薬大阪本社の広告、実物を見てきました!夜空に光るパープルデー!

2017年3月14日火曜日

大塚製薬大阪本部ビルの屋上ビジョンが”Purple Day”に!

3月19日から26日まで、大塚製薬株式会社大阪本部(大阪市中央区大手通3-2-27)の屋上ビジョンにパープルデーの告知広告が打たれることになりました(以下のデザインは仮で、実際の画像とは異なる可能性があります)3月19日~は大塚製薬のホームページでも告知されます。6時~22時に表示される予定です。阪神高速からも確認できるとのことですので(よそ見運転はしないでいただきたいですが)、皆さんどうぞご覧ください。


2017年3月13日月曜日

パープルデー大阪のHPできました!

パープルデー大阪のHPが本日公開されています。インスタグラムにUpされている写真が次々と表示されています。どうぞご覧ください。よければ皆様もSNS等で広くご周知いただけるとありがたいです。引き続きインスタグラムへの写真のUpもよろしくお願い申し上げます。皆さんの1枚の写真が、多くの患者さんやご家族を勇気づけています!

http://purpledayosaka.org/



#パープルデー大阪 #パープルデイ大阪 #purpleday

2017年3月10日金曜日

Purple Day大阪イベントチラシ

パープルデーイベントの広告チラシができました。投稿規定もあわせて載せておきます。3月10日現在60件以上の写真がインスタグラム公式サイトにUpされています。公式ホームページは3月13日公開予定です。どうぞ投稿よろしくお願いします!
Instagram
https://www.instagram.com/purpledayosaka/
Facebook
https://www.facebook.com/purpledayosaka/


2017年3月8日水曜日

AMAZON売り切れ・・・

本日発売されました「はじめてのてんかん・けいれん診療」ですが、AMAZONでは本日すでに売り切れてしまっております。入荷予定日は未定とのことです。皆様にはご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2017年3月6日月曜日

みなさん、#パープルデイ大阪でインスタ投稿よろしく!

3月26日は世界的なてんかん啓発イベントである「Purple Day」の日になっています。

Purple Day
http://www.purpleday.org/

このイベントはカナダの9歳の少女であったCassidy Meganさんが、自らのてんかんと闘う中で、周囲の人にてんかんについて知ってほしい、てんかんの人には「あなたは一人ではない」と伝えたい、という思いを持ち活動を始めたことがきっかけになっています。現在では世界各地でPurple Dayにちなんだイベントが行われるようになっています。

日本でも仙台や名古屋、広島など各地でイベントが行われています。
パープルデージャパン:http://purpleday-jp.net/

今回我々は、大阪でもこのイベントを通じて何らかの活動ができないか、ということを模索してきました。その結果、今年は人の輪でてんかん患者さんを支援しよう!というコンセプトができました。そこで今年は皆さんからお寄せいただいたパープルデーを支援する写真をインスタグラムにUpしていくことにしました。先日からすでに
たくさんの写真がUpされており、皆さんの熱意や反響の大きさに驚いています。このブログをご覧のてんかんをお持ちの方やご家族、また一般の方でも趣旨にご賛同いただけます方は、

1.インスタグラムのアカウントを作る、もしくは既存のアカウントから

2.ハッシュタグ #パープルデイ大阪 あるいは#パープルデー大阪をつけて

3.てんかんやてんかん患者さん、パープルデーを応援するコメントをつけてUpして頂ければと思います。

我々はこのタグから写真をみることができますので、それをpurpledayosakaのアカウントにUp,あるいはFacebookやHPに転載させていただきます。ですのでこれらの媒体に写真がUpされてもいいよ!という方はぜひご参加いただければと思います。

インスタグラム:
https://www.instagram.com/purpledayosaka/
Facebook:
https://www.facebook.com/purpledayosaka/
(HPは近日公開)

写真は人物やモノなどなんでもかまいませんが、応援の意図が伝わるような写真をお願いできれば幸いです。以下に趣意書も転載しておきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

「パープルデー」イベントを大阪で!
小出内科神経科
小出泰道

てんかんは人口100人あたり1人前後の患者さんがいると考えられており、日本には100万人以上の患者さんがいると推定されています。大阪市にも人口から推定すると、2-3万人の患者さんがいることになります。このように患者さんの数もとても多く、ありふれた病気にしかすぎないてんかんが、古くから好奇や差別、偏見などの対象になってきました。これは日本だけの現象ではなく、世界中の患者さんが同じような状況の中にいます。
世界保健機関(WHO)は1997年から国際てんかん協会(当事者団体)、国際てんかん連盟(医療者団体)とともに“Out of Shadows”キャンペーンを行い、てんかんに対する啓発活動を行ってきました。また2015年5月のWHO総会ではてんかんに対する特別決議が採択され、全世界に対しててんかんの医療や社会啓発に対する取り組みが求められているところです。
「パープルデー」は2008年カナダで9歳の少女だったCassidy Meganさんが、自らのてんかんについて周囲に打ち明ける際に経験した様々な葛藤を通じ、「世界中の人にてんかんについてもっとよく知ってほしい。てんかんであるがために差別や孤独を感じている人に、あなたは一人ではないと伝えたい」という願いから創設されたてんかん啓発イベントです。Purple Dayの紫は彼女が愛するラベンダーの色に由来しています。現在では3月26日やその前後に、世界各国でてんかん啓発活動が行われるようになっています。
日本でも全国てんかんセンター協議会などが中心となって、「パープルデー企画実行委員会」が組織されており、日本各地でイベントが行われるようになっています。関西でも2016年10月には第43回日本てんかん協会全国大会に合わせ、和歌山城のライトアップなどのイベントが行われました。2015年7月には創始者であるCassidy Meganさん自身がアニタ・カウフマン財団(The Anita Kaufmann Foundation,てんかんや脳外傷を持つ人々に関する啓蒙活動を行っている団体。パープルデーの世界的スポンサー)の関係者とともに来日し、各地のパープルデーに関連する人々と交流する機会もありました。
このような活動が行われているなか、我々は大阪でもてんかんの患者さんのためにこのパープルデーの趣旨に賛同し、啓発活動を行いたいと願うものであります。なにとぞ趣旨をご理解のうえ、ご高配賜りたく存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2017年2月15日水曜日

「はじめてのてんかん・けいれん診療 」発売されます!

3月8日に「はじめてのてんかん・けいれん診療 ─上手な説明・コンサルテーションの仕方─」という本を日本医事新報社から出させていただきます。患者さんからよくある質問やてんかんを初めて診療する若手の先生からの質問に根拠に基づいて答える、というのがコンセプトの本です。各項目の質問に対して具体的な回答(よい例、ダメな例)を載せているところがあまり類のない本だと思います。

若手の先生や質問する側の患者さんまで、様々な方に参考にして頂ける本だと自負しています。どうぞよろしくお願いします。https://www.jmedj.co.jp/book/search/detail.php?id=1718

はじめてのてんかん・けいれん診療 ─上手な説明・コンサルテーションの仕方─


目次
1章 てんかん・けいれん一般
1.けいれんの原因や病態
けいれんはなぜ起こるのですか?
2.てんかんの定義
てんかんって何ですか?
3.てんかんとけいれんの違い
てんかんとけいれんってどう違うのですか?
4.てんかんの症状の表現型
てんかんの症状ってどんなものですか?
5.てんかんと鑑別が必要な症状
うちの子のこの動き,てんかんじゃないですか?
6.てんかんの原因
うちの子のてんかんの原因は?
7.てんかんの診断
てんかん診断には何が必要ですか?
8.てんかん分類の意味とやり方
うちの子のてんかんは○○てんかん?
9.てんかんの予後予測
うちの子のてんかんは治りますか?
10.てんかんと遺伝
うちの家系にてんかんの人はいないんですけど?子どもにてんかんは遺伝しますか?
11.難治てんかんの定義
うちの子は難治てんかんですか?
12.熱性けいれんの原因
熱性けいれんはどうして起こるのですか?
13.熱性けいれんとてんかんの違い
熱でひきつけたのですが,てんかんなのですか?
14.てんかん発作による後遺症
てんかん発作で脳に障害が残ることはありますか?
15.てんかんと発達障害/知的障害との関係
発達障害や知的障害があるとてんかんになりやすいのですか?またその逆は?
16.精神症状をみた場合の対応
てんかんを発症してからイライラしやすくなった気がします。そんなことありますか?
2章 対 処
17.発作時の対処についての指導
発作を起こしているときはどうしたらいいですか?してはいけないことはありますか?
18.救急車を呼ぶべき場合の指導
発作を起こしたときは救急車を呼ぶべきでしょうか?
19.救急搬送時の入院の適応
けいれん発作を起こしたときは入院させなくていいのですか?
20.熱性けいれんへの対処(アンヒバ®やダイアップ®を使う?)
熱が出たとき,けいれんが起こったときはどうしたらいいですか?
3章 診断・検査
21.脳波検査のてんかん診療での役割
脳波検査って何ですか?どういう意味があるのでしょうか?
22.脳波検査とてんかんの関係
脳波に異常があるのがてんかんですか?
23.脳波以外の検査
MRIは撮らなくてもいいですか?
24.薬物血中濃度の意義と測定方法の実際
薬の血中濃度はなぜ測るのですか?
4章 薬物療法
25.抗てんかん薬選択の実際
薬はどうやって選んでいるのですか?
26.薬剤変更のタイミングと方法
そろそろ薬を変えたほうがよいでしょうか?
27.薬物相互作用の指導
一緒に飲んではいけない薬はありますか?
28.薬剤処方時の説明,副作用についての説明
薬の副作用が心配です
29.服薬指導(飲み忘れたときの対応や食事時間との関係など)
薬の飲ませ方で何か注意することはありますか?
30.減薬や断薬のタイミング
薬はずっと飲まなくてはいけないのでしょうか?
31.てんかん外科手術の現状,手術を検討するタイミング
てんかん外科手術ってどんなことをするのですか?うちの子は対象になりますか?
5章 生活・制度など
32.日常生活一般について話しておくべきこと
どういう生活をさせればよいでしょうか?1人で行動させてもいいですか?
33.運動指導
水泳やスポーツ,部活動はやらせてもよいですか?
34.学校行事に参加する場合の指導
修学旅行は参加してもいいですか?
35.学校への説明
学校や友達にはてんかんがあることを説明したほうがよいでしょうか?
36.職業選択上の注意点
大人になって,普通に仕事ができるのでしょうか?なれない職業等はありますか?
37.運転免許取得の相談への対応
運転免許は取れますか?
38.てんかんの診療連携
てんかんセンターってどんなところですか?
39.てんかん患者が利用できる医療費補助や福祉の制度
将来の医療費が心配です。何か補助は受けられないですか?
40.生命保険加入への対応
生命保険には加入できますか?

 

2017年2月10日金曜日

第2回神戸てんかんカンファレンス

昨日神戸でてんかん診療で重要な検査である脳波検査について、その意義や実際の判読方法などについての講演をさせていただきました。

まず最初に強調したのは、脳波はあくまでも問診の内容を確認したり、てんかんの分類を決めるために行うものであって、てんかんか否かを決めるのはほぼ問診で決まる、というお話をしました。この点を最初に見失うと、「脳波に異常があるからてんかんです」といった、大きな間違いが起こります。

てんかんの定義はあくまでも「てんかん発作を繰り返す病気」ということに尽きますので、そこに脳波異常の有無は関係ありません。てんかんであっても脳波異常を認めない方もいますし、てんかん発作を起こしたことがない方にも脳波異常を持っている人はいます。ですので、まず十分な問診からその方がてんかんなのかそうでないのか、てんかんであればどのようなタイプになるのかまでを判断したうえで脳波検査を行い、てんかんの分類を決めていきます。

さらに言えばMRIなどはてんかんの原因を決めるために行うものであって、てんかんか否かの判断にはまず関係しません。ときどき「脳血流SPECTの検査で異常があるからてんかんが否定できない」といった、問診も脳波もMRIもすっ飛ばした話を聞いてくる患者さんもいますが、これは論外です。

講演自体はまず患者さんの問診票をみてもらい、病歴をまとめ、診断について話し合った後に実際にデジタル脳波にふれていただき、種々のパラメーターや誘導を自分で変えながら脳波を判読するという経験をして頂きました。てんかん外来でやっていることを再現しようとしてみました。以前にも関東の大学で同じような講演という科ワークショップというかをしたことがあり、それを応用してみました。予想外に時間がかかったので、講演時間を大幅にオーバーしてしまったことは反省点です。

今後も同じようなご要望があるようでしたら、さらに改善を重ねて、よりてんかんを専門としていない先生方のためになるようなお話ができればと思っています。




2017年1月30日月曜日

Webを使ったてんかんカンファレンス

1月27日金曜日に、TV会議システムを用いたてんかんカンファレンスを、和歌山県内のさまざまなご施設の先生方と行いました。

最初は使い勝手がよくわからず、話をするタイミングを量りかねるところもありましたが、中盤以降は意見の交換がスムーズにできるようになりました。

このような機会がなければお話ができなかった遠方の先生方と話をする機会を頂けたことはとても有意義でした。今後も少しでも地域のてんかん医療に貢献できるように頑張りたいと思います。



2017年1月21日土曜日

Epilepsy Symposium2017 南大阪での講演

1月19日、スイスホテル南海にてEpilepsy Symposium2017 南大阪が開催されました。

小出の話には「抗てんかん薬の現状と今後の課題」というタイトルをつけました。現在の抗てんかん薬治療の問題点・課題として

効果の面:てんかんの原因を治療する薬がない、万能薬がない
生活への影響:副作用を事前に予想する方法がない。
薬物治療の方法論:マニュアルに乏しい、薬剤の選択肢が(これからしばらくは)増えない

というところを提示させていただき、その中でもどのような進歩があり、我々は課題にどう向き合うのか?といった話をさせていただきました。

一つの例として、抗てんかん薬の副作用で時に重篤になりうるものに薬疹があります。出やすい薬、出にくい薬があることは知られており、古い薬ではフェニトインやカルバマゼピン、ゾニサミドなどが、新しい薬ではラモトリギンなどが薬疹の出現率が高いことで知られています(報告にもよりますが5-10%ぐらいでしょうか)

残念ながら今のところ、これらの薬で薬疹が起こるかどうかは、服用していただかないと分かりません。個人の体質と薬剤の相性になりますので、服用してみないと起こるかどうかが分からないのですね。

しかし、現在少しずつこの「個人の体質」を見極めて、薬疹の出現を服用前から予想できないか?という可能性が検討されています。たとえばカルバマゼピンなどでは、人種によって特定のHLA(ヒト白血球抗原)のタイプとの相性が悪く、薬疹が出やすい人がいるのではないかと考えられています。そこで現在特定のHLAの型を持っている方にカルバマゼピンを投与しなかったら、薬疹の出現率は減るのか?という研究が行われています。

このように、現在ある課題にどのような取り組みがあるのかについては、我々が常に情報を集め、患者さんの診療に還元できるようにしていく必要があります。これからも勉強を続け、皆さんにご紹介していきたいと思っています。

2017年1月6日金曜日

あけましておめでとうございます。

皆様あけましておめでとうございます。小出内科神経科の新年の診療が本日から始まりました。本年もてんかん診療を中心に、皆様のお力に少しでもなれるように頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。