2017年2月10日金曜日

第2回神戸てんかんカンファレンス

昨日神戸でてんかん診療で重要な検査である脳波検査について、その意義や実際の判読方法などについての講演をさせていただきました。

まず最初に強調したのは、脳波はあくまでも問診の内容を確認したり、てんかんの分類を決めるために行うものであって、てんかんか否かを決めるのはほぼ問診で決まる、というお話をしました。この点を最初に見失うと、「脳波に異常があるからてんかんです」といった、大きな間違いが起こります。

てんかんの定義はあくまでも「てんかん発作を繰り返す病気」ということに尽きますので、そこに脳波異常の有無は関係ありません。てんかんであっても脳波異常を認めない方もいますし、てんかん発作を起こしたことがない方にも脳波異常を持っている人はいます。ですので、まず十分な問診からその方がてんかんなのかそうでないのか、てんかんであればどのようなタイプになるのかまでを判断したうえで脳波検査を行い、てんかんの分類を決めていきます。

さらに言えばMRIなどはてんかんの原因を決めるために行うものであって、てんかんか否かの判断にはまず関係しません。ときどき「脳血流SPECTの検査で異常があるからてんかんが否定できない」といった、問診も脳波もMRIもすっ飛ばした話を聞いてくる患者さんもいますが、これは論外です。

講演自体はまず患者さんの問診票をみてもらい、病歴をまとめ、診断について話し合った後に実際にデジタル脳波にふれていただき、種々のパラメーターや誘導を自分で変えながら脳波を判読するという経験をして頂きました。てんかん外来でやっていることを再現しようとしてみました。以前にも関東の大学で同じような講演という科ワークショップというかをしたことがあり、それを応用してみました。予想外に時間がかかったので、講演時間を大幅にオーバーしてしまったことは反省点です。

今後も同じようなご要望があるようでしたら、さらに改善を重ねて、よりてんかんを専門としていない先生方のためになるようなお話ができればと思っています。




0 件のコメント:

コメントを投稿